小春日和おまけ2〜ハン受難編〜


レイアとルークが食事に招待された数日後、ハンは町まで買い物に来ていた。 

レイアに頼まれていた買い物を済ませ、家へ戻ろうとハンがスピーダーにまたがった

そのとき、目の前を横切る人影にふと目が留まった。

金色の髪と髭、そんなに高くはない身長の身体を大き目のローブに包んでいて、指先だ

けが袖の先から見えている。

ハンはそのローブに見覚えがあった。ルークが着ている「ジェダイ」の服とかいう奴だ。

しかし、目の前の人物は自分の会ったことのない人である。数多くのジェダイがフォースの

国の住人として暮らしていることは知っているが、この人物もその一人なのだろうか。

気になったハンは声をかけてみることにした。

「なあ、そこのあんた・・・。」

そう声をかけられて振り向いた顔はハンの知らない顔だったが、その湖水色の瞳には

見覚えがあった。

「もしかして、あんたベンか?」

急に声をかけられて面食らっていたようだった彼は、ハンであることに気付くと、

知人に会った気安さでにっこりと微笑みかけてきた。

「やあ、ハンこんにちは。よく私だとわかったな。ルークやレイアも一瞬戸惑ったのに。」

そう言って笑う彼はとにもかくにも、かわいいという表現がぴったりの笑顔で、

思わず目が泳いでしまう。

こんな彼と二人でいるところを、かのダースベーダー卿にでも見つかったら命はなさそうだ。

「ベン、あんたこんなところで何しているんだ?」

「ああ、夕飯の買い物だよ。今日はアナキンの好きなハンバーグにでもしようかと思って。」

ハンはその台詞を聞いて心の中で密かにのけぞりました。

あの黒い仮面の姿の彼がハンバーグを食べている姿は、どんなに想像力を駆使しても

思い浮かべるのは無理だった。

「そ、そうか。けど、あんたらフォースの世界の住人も買い物とかするんだな。」

そもそも物理的な生命活動に関係するものを必要としていなさそうな、彼らに対しての質問

だったのだが、

「・・・?だって、いくらフォースが使えるからって盗んだりはできないだろう?」

という天然ボケな返答が帰ってきた時点で、答えを得ることはあきらめた。

「そりゃそうだよな・・・。ところであんたどうやってここまで来たんだ?」

「フォースでだよ。でも帰りは荷物があってそれは使えないから、エアバスででも帰ろうと

思ってるんだ。」

「迎えに来てもらわないのか?」

「・・・アナキンの運転を知らないからそんなことが言えるんだ。」

少し遠い目になりつつ答えるオビ=ワンに、なるほどと思いつつある案を思いついた。

「じゃあ、後ろに乗っていくか?俺もそんなに安全運転というほどじゃないけど、そこまで

危ない運転はしないつもりだぜ?」

「いいのか!?ありがとう。バスに丁度行かれてしまったところで困っていたんだ。」

心底嬉しそうに言うオビ=ワンに、言ってみてよかったと思いつつも

いざ、彼を後ろに乗せてみると意外と確かな質感と体温に、

何やら胸が騒ぐのは気のせいではないようで、

腰に回った手にも、なぜだかわからない満足感を覚えつつ、

「じゃあ、行くぜ。しっかりつかまってろよ。」

そういうと、スピーダーを発進させた―――。

 

 

そんなに離れた町ではなかったので、数十分も走ると自分の家の近所にあるオビ=ワン達

の家の前までやってきた。

「着いたぜ。」

家の前にスピーダーを止め、扉の前に目をやった瞬間ハンは凍りついた。

そこに立つ長身の青年と目が合ってしまったからだ。

ハンはオビ=ワンの笑顔のかわいらしさに、前回のお昼の招待を何で断ったのかすっかり

忘れていたのだ。

その青年はにっこりと笑いつつも、その美貌に触れたら切れるような空気を纏っていて、

何も言われなくとも彼が、かの暗黒卿であったことを瞬時に悟った。

そして、自分がうっかりとんでもないことをやらかしたことも・・・。

ハンの腰に回した腕を解いて、スピーダから飛び降りるオビ=ワンに

「お帰りなさい。オビ=ワン。」

と、打って変わった優しい口調と瞳で、彼が声をかける。

「ただいま、アナキン。今日はお前の好きなハンバーグだぞ。

チーズも新鮮なモッツァレラチーズをたっぷり買ってきたんだ!」

そう言って、にこにこと袋を差し出すベンもといオビ=ワンの姿と

アナキンと呼ばれた青年の眼差しに、ハンは自分の直感が正しかったことを悟った。

「おいしそうですね。今から楽しみですよ。でも、こんなに大荷物になるんだったら、

僕が迎えに行ったのに・・」

「ああ、でもハンが送ってきてくれたから大丈夫だったんだ。」

こっちを向いて言うオビ=ワンには、話題をこっちに振らないでくれというハンの必死の

願いは通じていないようだった。

ほとんど半泣きでアナキンを見やると、

「そうか、それはありがとう。僕のオビ=ワンが世話になったみたいで。

そうだ、せっかくだから夕飯でもいっしょにどうだい?」

「そうだ!お礼もかねて、是非食べて行ってくれ。」

片や凍りつきそうな笑み、片や心からのニコニコとした笑みに進められつつも

「い、いや!レイアに頼まれての買い物で、それを渡さなくちゃならないし、なにより

これ以上いたら馬に蹴られそ・・・ごほごほ。」

鋭い視線で、途中言葉を濁しつつも後ずさり、

必死で二人の前からハンは逃げ出したのだった―――。

 

「あんなに急いで帰らなくても、お茶くらい飲んでいけばいいのにな・・。」

「今度また、改めて招待しましょうよ。ルークやレイア、チューイなんかも呼んで。」

来るかどうかはわからないですけどね、という台詞は心の中でだけつぶやき、

オビ=ワンに提案すると、

「そうだな。そうすると今から楽しみだ!次は何を作ろう?」

「それはまた後で考えるとして、今はハンバーグ作ってくださいよ。」

「そんなに食べたいのか?」

「ええ、あなたの作ったやつがね。」

「仕方のない奴だな・・」

そう言いつつもどこか嬉しそうに、

いそいそとオビ=ワンは夕飯の支度を始めるのだった―――。

 


ハンの受難編です。せっかく招待から逃れたのにね。

でも詰が甘かったようで。

お子様味覚で好きなもんを考えたらハンバーグでした。私が好きだから。おいしい〜v

らぶらぶな二人が好きだ〜vほとんどアナキン出てこないけど(汗)。







よろしかったらポちりとお願いしますv



































































































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