一晩中、布団の中で眠ろうと努力していたオビ=ワンでしたが、

やはり、一睡もすることができませんでした。

すっかり外が明るくなってしまったのを見て、諦めて布団から這い出しました。

立ち上がろうとした時に、昨日抱きしめられた時にうつったのか

アナキンの香の薫りが、ふわりと香りました。

その薫りをかぐと、昨晩のことがよみがえってきて思わず頬が熱くなります。

しかし同時に、胸の痛みをも思い出させました。

自分の目の前に今日も、右近の少将であるアナキンと四の君の

婚礼のための縫い物が、届けられていています。

それでも、昨日のアナキンの言葉を信じたいと思う自分がいました。

けれど改めて明るくなってからの部屋を見渡すと、

何もないのが更によく分かります。服もすり切れたみすぼらしいものです。

アナキンが来たのが夜でよかったと思いつつも、

自分とアナキンとの差を目の当たりにし、

彼の言葉を信じることができないのでした―――。

 

一方で、屋敷に帰り着いたアナキンは、C3POを呼びつけました。

「アナキン様、お呼びでしょうか?」

「例の手紙の姫君がいたのを、覚えているだろう?」

「はい、それはもちろんですが、その姫君がいかがなされましたか?」

「結婚する。」

「・・・は?今なんと・・?」

「結婚するといったんだ。C3PO。僕はあの人を生涯ただ一人の人と決めたよ。」

「ええっっ!!本気ですか!?アナキン様!」

「僕は冗談でこんなこと言ったことないだろう?」

「それはそうですが・・・。では、本気なのですね。

R2に伝えたら喜ぶと思いますが・・・。まさか、本気になられるとは。」

「意外かい?」

「ええ。かなり。アナキン様の今までの素行を見ていますと。」

その言葉に、さすがにアナキンも苦笑しました。

「確かにね。でも、本当に好きな人に逢ってしまったら、試すことなんてできないって

ことを知ったよ。」

「ええ!!では、もしやまだ手を出されていないので!?」

「本格的にはね。まあ、というわけで結婚の儀の最中だから、

今晩も僕は出かけるよ。」

「アナキン様をそこまで本気にさせる姫君、私も会ってみたいものです。」

「感心するのはいいから、湯の準備をして欲しいな。一眠りしたら使いたいんだ。

それと、この着物と手紙を姫君のところまで届けて欲しい。」

「かしこまりました」

しきりに感心しながら遠ざかって行くC3POを見送ると、

アナキンも一眠りするために横になりました―――。

 

 

なんとか縫い物を進めようとしたオビ=ワンでしたが、寝不足の頭では大して進める

こともできません。

そして、アナキンから「後朝の文」と着物が届くと、さすがに鈍いオビ=ワンにもその

意味はわかり、それからは全く進まず、夜になってしまいました―――。

ぼんやりと月を眺めつつ窓の側に座っていると、庭で動く影があります。

その影はすぐに人の姿になり、近くまでくると声をかけてきました。

「こんばんは。オビ=ワン。」

「・・っつ!アナキン!!」

オビ=ワンはアナキンを実際に目の前にすると手紙や着物のこともあり、

やはり動揺を隠すことができません。

後ろに下がりながら、自分の身体を抱きしめ立ちつくしていると、

「・・・そんなに警戒しないで下さい。何もしませんよ。」

そう言って少し悲しそうに笑いながら、アナキン縁側に腰を下ろしました。

そして手紙や着物のことについては特に触れることもなく、

何やら、手にしていたものを広げ始めました。

「・・・・・?」

思わず不思議そうに眺めるオビ=ワンに笑いかけ、

「これは、絵巻物です。あなたが知りたがっていた外の世界のことが

描かれているんですよ。」

「あのとき話したことを、覚えていたのか・・・?」

「ええ。あの時、瞳をきらきらさせながら話していた貴方が忘れられなくて。」

そう言って優しげな瞳で見つめられると、言われたことをすべて信じたくなります。

けれど、どうしてもその勇気がもてないオビ=ワンは、

その思いを唇を噛みしめて堪えました―――。

アナキンはその様子を見て内心ため息をつきつつも、

「こっちに来て見てみませんか?幸い今日は月が明るい。」

そういってオビ=ワンを手招きします。

「・・・・変なことしないか?」

「今日は何もしません。誓いますよ。貴方に。」

「今日はって・・・っていうか、私に誓ってもしょうがないだろう。」

「いいえ。好きな人に誓ったことは絶対ですよ。」

「また、そんなことを・・・」

胸に手を当てた大げさな仕草で誓って見せるアナキンに、

オビ=ワンはこれ以上のやりとりをすることに馬鹿らしさを覚えました。

それにどうせ出家する身ならば、手を出されようと出されまいと関係ないと思った

オビ=ワンは、

好奇心に逆らわずアナキンに近寄ると、その絵巻物を眺め始めました―――。

 


当時の習慣として結婚していない男女が愛を交わした後、帰宅後女性に着衣と手紙

を送る習慣があったそうです。。。

愛を交わして・・・ない???

でも気持ちは一応両思いなので。そしてこの当時忍んでいって何もせずに帰るとい

うことはなかったようなので(笑)。

次は「三日夜の餅の儀式」デス。

三日通い詰めるとその家のものになる儀式としてコレをやるそうです。

コレが披露宴らしいです。いよいよ夫婦になるみたい。。





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