月が高く昇り、夜の闇も濃くなるころオビ=ワンは、
R2に盥を使っての簡単な行水をさせられ、
わけもわからないまま磨き上げられていました。
真新しい着物には、リキが採ってきた白檀の香りが焚きしめられ、
その上にアナキンから送られてきた、うすい水色の着物を羽織っています。
こんな綺麗な格好は、母であるクワイ・ガンが生きていた頃にしかしたことがありません。
慣れない格好にオビ=ワンは所在なさげにただずんでいました―――。
いつものように、庭を通りオビ=ワンの部屋の前まで来たアナキンは、
普段と違う部屋の様子に、おや、と思いました。
がらんとして何もなかった部屋に、
様々な几帳や道具が揃い美しく整えられています。
脳裏によぎったのは、R2の丸い姿でした。
主人想いの彼の気遣いに、自然と口元を緩ませつつ部屋の近くまで行きます。
そして、几帳の影に所在なさげに座るオビ=ワンを見た途端、
思わず息をのみました―――。
月に濡れた艶やかな金色の髪、やわらかそうな唇。
そして、首筋の白い肌が着物と髪の間から見え隠れしています。
アナキンは高まる気持ちを何とか抑え込みつつ、オビ=ワンに声をかけました。
「こんばんは。オビ=ワン。」
その声に弾かれたように振り向いたオビ=ワンは、
恥ずかしそうにしながらも笑い、
「こんばんは。アナキン。」
と挨拶を返してくれました―――。
今までのような、粗末な着物を着ていても凛とした美しさのあったオビ=ワンです。
きちんと着飾ると、まさに目を見張る美しさでした。
近くに座ると、先日のものか白檀の良い香りがします。
その香りをかいでいたら、ふと悪戯心がアナキンの中に芽生えました。
そつなく会話に答えながらも、相変わらず微妙な距離を取りたがるオビ=ワンに、
素早く近づき、その細い身体を腕の中に収めてしまいます。
途端、目元の染まった目で睨みつつ、
「何もしないって、言ったじゃないか!アナキンっ!」
と抗議してきます。
腕の中に収めても気丈なその様子に、内心喜びを覚えつつも素知らぬ振りをして、
「あのとき僕は、「今日は」って言いましたよね。」
「・・・・う・・・。」
口ごもり、先を続けられないオビ=ワンに
「今日はあなたの部屋を尋ねるようになって三日目なんですけど、
気が付いてますか?」
と尋ねます。
特に思い当たることがないのか、首を傾げるオビ=ワンの愛らしさに、
思わず理性が飛びかけていたところへタイミングよく、
R2が扉を開けて入って来ました。
R2が捧げ持ってきた膳の上の餅を見て、やっとオビ=ワンも気が付きました。
その餅が、新婚三日目にして男が家の者になる証として食べる物であることぐらい
さすがのオビ=ワンも知っています。
そして、それが意味することも・・・。
餅を見た瞬間に真っ赤になったオビ=ワンでしたが、
R2はなにやらアナキンに耳打ちすると、さっさと餅をおき、出ていってしまいました。
その閉まった戸を、赤い顔のまま恨めしそうに眺めていたオビ=ワンでしたが、
オビ=ワンを抱いたままのアナキンが箸を手に取ったので、
三つの皿に盛られた餅に視線を戻しました。
「オビ=ワン、この餅どうやって食べるものか知ってる?」
「知るわけないじゃないか。食べたことないんだから。」
聞くまでもないことを聞くアナキンに、少しあきれた口調で返すオビ=ワンでしたが、
それを聞いたアナキンは、何が嬉しいのかにこにこしながら、
「そうですよね。僕も初めてだから、R2が教えていってくれたんですよ。」
そう言って箸で餅を挟むとオビ=ワンの口元に運びます。
「盛られた餅は、三つとも食い切らずに食べるそうですよ。」
そう言って、口にれようとします。
誰かに食べさせてもらうなんて、物心付くか付かないかぐらいの小さな時以来です。
しかも、その腕に抱かれた状況なんて、今まで想像すらしたことがありません。
羞恥のあまり、手で遮ろうとしたオビ=ワンでしたが、アナキンは器用にオビ=ワン
の口に餅を放り込み、自分も口に運びます。
なんとか食いきらずに口に収め、飲み込んだ後、
「意外と難しいね、この食べ方」
そう言って、目を白黒させてみせるアナキンに、
あまりの体勢に限界まで身体を堅くしていたオビ=ワンでしたが、
思わず笑顔を見せるのでした―――。
この時代これで夫婦ってことなのかしら??
勉強不足でいまいち曖昧です。
オビ=ワンは経験なさすぎて、恥ずかしく思いつつも
いろいろ受け入れちゃってます。
次で、もう少し受け入れてもらって、大人の階段をのぼ・・・。
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||