屋敷に帰り着いたアナキンは、宮廷に参内する前にC3POを呼びつけました。

「アナキン様、お呼びですか?」

「僕に届いた手紙を持ってきてくれないか?結婚の申し込みのやつ。」

「は・・?アナキン様はもう好きな人ができたのではないのですか?」

「そうだよ。」

「今更、何にお使いになるので?」

「その人が気持ちを信じてくれないんでね。

何か原因があるんじゃないかと思って・・・。

まるで他に僕が結婚する相手がいると、思いこんでいるみたいなんだ。」

「手紙をよこした者の中に原因を作っている者がいると?」

「うん。目星をつけておいて、今晩宮中でそれとなく探ってみるつもりだよ。」

「なるほど。ではもって参ります。」

アナキンは大量の手紙にざっと目を通し、

中でも催促の手紙が何通もきているようなものを選ぶと、宮廷に参内するため

出かけました―――。

 

 

燭台の明かりの下ではオビ=ワンが縫い物をもくもくと進めていました。

ほんの数日アナキンが側にいただけなのに、一人で過ごす夜はどうにも心細くて、

布団に入ることもできず縫い物を進めていたのです。

それに、北の方が帰った後に更に増えた縫い物は、とても一人で縫い終わるような

量ではありません。

ここ数日姿を見せていなかったリキが、目の前にうずくまり縫い物をするオビを

じっと見つめています。

まるで寂しさを埋めるようにアナキンと入れ替わりでやってきたリキに

「お前はまるで私の心を読んだみたいにやってくるね。」

そう言って感謝の気持ちを込めて頭を撫でてやると、うっとりと目を細めつつ

オビ=ワンの膝に顎を載せてきます。

昨日の疲れに加え、縫っても縫っても終わらない縫い物に疲れていたオビ=ワンは

そうしている内にいつの間にか眠り込んでいました―――。

 

 

宮廷に参内したアナキンは、同僚に

「お前とうとう身を固めるんだって?」

と、声をかけられました。

早速の収穫に何気なさを装いつつ、返します。

「ああ、その予定だ。でも、誰にも言ってないはずなんだけどな。」

「はははは。お前ほどの相手ならお前が言わなくても、

相手の家の者が黙ってないのさ。」

「そういうお前は、誰にその話を聞いたんだ?」

「中納言家の者にだよ。素晴らしい婿が来るっていいふらしてるぞ。」

「・・・ふーん。」

「・・・なんだ?違うのか?そんな怖い顔して・・・。」

「・・・・まあね。それより遅れるぞ。早く行かないと。」

「あ!もうみんな集まってるじゃないか!この話はまた後でな。」

二人は急いで仕事場へと向かいました―――。

 

その晩遅く、宮廷から帰った主人を出迎えたC3POは、その険しい表情に怯えつつ

「何か収穫はありましたか?」

そう尋ねます。

「聞いて回るまでもなかったよ。僕は中納言家に対して返事なんかした覚えは

ないんだけどね。」

「ではすぐに断りの手紙を・・」

「いや、それは少し待ってくれ。僕に考えがあるんだ。」

「左様ですか。」

「今日は湯を使ったらもう休むよ。それより、この紙に書いてあるものを用意して

おいてくれないか。」

「わかりました。お湯はもう用意してありますのでお使い下さい。」

「ありがとう。C3PO。」

アナキンはゆっくりと湯につかりつつ、考えを巡らすのでした―――。

 

 

オビ=ワンが目を覚ますと、辺りは明るくなっていました。

こんな形でうっかり眠り込んでしまったことには驚きましたが、

こんな形であっても眠れたことを、リキに感謝していました。

起きて間もない、ぼんやりした状態のオビ=ワンの耳に、

ドスドスという足音が聞こえてきました。

「落窪!仕事は進んでいるいるのかい!」

戸を開けるなり居丈高に言い放った北の方に、

オビ=ワンはできあがった分を差し出しました。

「ほう・・・ふむ、まあいいだろう。また様子を見に来るからね。さぼるんじゃないよ!」

そう言うと完成分を持って、さっさと出ていきました。

「ふう。嵐のような人だねぇ、リキ。でもお前がとがめられなくて良かったよ。」

さりげなく隅に移動していたリキに笑いかけると、再び縫い物を再開したのでした。

 

完成分を手に入れた北の方は、そのできに満足していたため、今は落窪の男のこ

とは放って置こうと決めました。

どうせ大した男ではないと、たかをくくっていたのもあったのです。

それに今日から四の君の結婚のために、縁起参りに出かけます。

北の方は出発のために待たしてあった牛車へと、

いそいそと向かうのでした―――。

 

家の者がみんな出発してしまった後も、

当然のようにオビ=ワンは残されていました。

一人でいるのは慣れっこなのですが、

流石に何日も一人では食事もままなりません。

いつものこととはいえ、途方に暮れていると、

朝から何も食べていなかったオビ=ワンの鼻に粥のいい匂いがしました。

不思議に思い、戸を開けると

「R2!!お前残ってくれたの!?」

「ピーーー!」

当たり前だというように胸を張り、盆を差し出します。

「ありがとうR2。飲まず食わずで過ごさなくちゃいけないかと思ったよ。」

「ピッピッピッピーー!!!」

自分がそんなこと許すわけないだろうと怒ってみせるR2に謝りつつ、

オビ=ワンはありがたく粥を受け取り、胃に収めるのでした―――。

 

 


この時代、蒸気風呂だった気がしますが流して下さると助かります(汗)。

だって蒸気じゃお風呂でむにゃむにゃとかできないし。

R2は本当に頼りになる子です。

北の方はちょっと休戦模様。帰ってきてから本選開始ですネ。

次は、家の者のいない夜を過ごしていただきますわ〜。

 






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