その頃、C3POはアナキンから託された手紙の返事をオビ=ワンにもらい、

それをを手にしたまま、

三の君の婿である蔵人の少将の元へやってきていました。

見た目と異なり、案外器用であるC3POは髪結いの名手として知られており、

この日も蔵人の少将に頼まれ結いに、来ていたのです。

「C3POに結ってもらうと、とても気持ちがいいよ。」

「左様ですか?喜んでいただけて良かったです。」

蔵人の少将にほめられて、良い気分であったC3POは自分が手紙を落としたことに

気が付きませんでした。

「・・・?この手紙は」

蔵人の少将は手紙を拾うと、

妻である三の君に見せるために懐にしまうのでした―――。

 

縁起参り中である妻の元に顔を出した蔵人の少将は、手紙を差し出しつつ

「お前この筆跡の持ち主を知っているかい?」

と三の君に尋ねました。

蔵人の少将の差し出した手紙を見た、三の君はその美しい筆跡をみて驚きました。

「これ、落窪の筆跡だわ。」

「誰だい?落窪というのは?」

「ああ、あなたは知らなかったのね。異母妹にあたるんだけど、まあお針子みたいな

ものよ。」

「お前、異母妹に対してそんなこと・・・。」

「それより、あのたいして美しくない人に男ができたって事よね。この手紙。

相手はあのC3POかしら。ある意味お似合いだけど、母上に知らせなくっちゃ。」

三の君は夫が呆れた瞳で自分を見つめているのに気が付かず、

手紙を握りしめると、母である北の方の元へ消えて行きました―――。

 

「母上!大変!!落窪に男ができたのよ!」

「そう騒ぎなさんな。知っていますよ。そのことなら。」

「どうして、そんな落ち着いてるのよ母上。」

「どうせ、大した男ではないと踏んでいるからですよ。」

「確かに手紙を携えていたのは、C3POだったけど・・・」

「ほら、やっぱりね。あんな娘には召使い程度の男でちょうどいいんですよ。

それにあの子はお針子としては優秀なんだから下手に騒いで、男があの子を隠し

でもしたら面倒ですからね。しばらく様子を見ますよ。」

「わかったわ。母上。」

「お前、そんなくだらないことより、蔵人の少将はどうなされているの?我が家の

自慢の婿殿なんですから、粗相のないようにね。」

「それもわかっているわよ、母上。」

「しっかりね。・・・おや、蔵人の少将さま。」

なかなか戻らない妻に焦れた蔵人の少将は様子を見に来たのです。

「何かあの手紙で問題でも?」

「いえ、問題なんて何も起こりませんよ。それより今度四の君の婿に、右近の少将

の君を迎えることになったのですよ。」

「ほう、右近の少将どのですか!彼の噂は常々耳にしています。帝の覚えもめでたく

大層な美男だそうですね。」

「ほほほほ、ほんに我が家の婿殿達はあなた様といい、右近の少将さまといい、

目の眩むような婿殿達ですこと!」

満足げな北の方の笑い声が辺りに響いていました―――。

 

広い屋敷にR2とふたりきりであるオビ=ワンは、食事は質素なものの、

いつもよりのんびりと過ごすことができました。

R2の手を借りて行水もすませ、日も暮れる頃にはさっぱりとした格好で

火鉢を炊いた暖かな部屋の中でくつろいでいました。

その晩は小雨の降る寒い晩で、格子戸を閉めていたのですが、

コンコンと戸をく音にオビ=ワンはすぐ立ち上がり、戸を開けました。

「こんばんは、オビ=ワン。ふぅ、今日は冷えますね。」

白い息を吐きつつ笑いかけるアナキンを、オビ=ワンは大急ぎで部屋の中に、

招き入れました。

「今日みたいな寒い晩に無理して逢いに来なくとも良いのに・・・」

そう、小雨に濡れ冷え切ったアナキンに暖かなお茶を差し出しつつ、

オビ=ワンは眉を寄せます。

「僕はどうしても逢いたかったんです。昨日の晩は会えなかったし。」

「でも、こんなに濡れて・・・」

アナキンの直衣を受け取り、それを掛けつつもその雨を吸った重みに

ますます眉を寄せます。

「ふふふ。オビ=ワン、心配してくれるの?」

「そりゃあ、するよ。私なんかに逢いに来るために、

風邪でもひいたらどうするんだ。」

「オビ=ワンは「私なんか」っていう存在じゃないよ。

それに、オビ=ワンは僕に逢いたくなかった?」

「・・・・・。」

頬染めてうつむくことしかできないオビ=ワンの無言の肯定に、

アナキンは心の底から嬉しそうに笑い、オビ=ワンを抱きしめるのでした。

「・・・っっ!!なんでいつもいつも私を抱きしめるんだ!?」

半ば悲鳴のように叫びもがくオビ=ワンを易々と抱き込みつつ、

「だって、オビ=ワンて抱き心地いいんだもの。あ、今日はお土産があるんです。」

オビ=ワンの抵抗を全く意に介さないアナキンに諦め、にこにこと包みを差し出す

アナキンから、その包みを受け取りました。

「これは、何?」

「いいから、開けてみて。」

オビ=ワンが美しい透かしの入った和紙に包まれた、その包みを開けるとそこには

半透明の短冊形のものが、砂糖衣をかぶり整然とならんでいました。

「綺麗・・・。これは何、アナキン。」

あまりに美しいそれらを、うっとりと見つめ尋ねると

「これは、異国のお菓子です。あなたが甘い物を嫌いでなければ

是非食べてみてください。」

そう言って、整然と並んだ物の中から一つを取り、オビ=ワンに差し出します。

美しさに躊躇しつつも、受け取ろうと手を出すと、にっこりと笑われ

「オビ=ワン、口を開けて。」

そう言って唇に触れる、お菓子に赤くなりつつも素直に口を開けました。

中へと招き入れたお菓子は、口に入れた途端、

すうっと溶け後には爽やかな甘さが、決してしつこくなく後を引きます。

「・・・おいしい。」

母上が亡くなってからというもの、

甘い物はほとんど口にしたことがなかったオビ=ワンでしたが、

それは今まで食べたことのないおいしさでした。

「気に入りましたか?良かった・・・。

ところで、オビ=ワン四の君のことをご存じですか?」

甘いお菓子にとろけていたオビ=ワンの思考は、

急速に冷え現実に引き戻されました。

「・・・このお屋敷の姫君で、私なんかと違ってとても可愛らしい方だよ。」

「ふうん。オビ=ワンはその人と僕との結婚話が出ているのを知っていた?」

その台詞に暗い笑みを浮かべたオビ=ワンは、

「そこにある縫いかけの着物の山は、その結婚のための衣装だよ。

大丈夫。私のお針子としての腕はちょっとしたものなんだ。」

着物の山を指さした後、顔を上げ無理に明るく笑って見せます。

「・・・やっぱりあなたが気にしていたのはこのことだったんだね。」

「・・・え・・?何を・・言って・・・」

「僕が何度愛を誓ってもあなた、一向に信じてくれないんだもの。

何か理由があるんだと思って宮中に参内ついでにね。

ま、わざわざ調べるくらいだから僕側としては寝耳に水の話なんですけどね。」

「でもっ!この家の者たちはしばらく前から、結婚のための準備を・・!」

「だから、僕は全くそんなの了承した覚えはありませんよ。まあ、あなたに誤解

される要因を作ってくれた落とし前は、つけてもらいますけどね。」

「じゃあ、本当に・・・?」

「ええ、僕が愛しているのは以前から言っているとおり、

あなただけですよ。オビ=ワン。今度こそ信じてくれますか?」

真摯な瞳で言うアナキンに見つめられている内に、

じわじわと歓喜がが押し寄せてきます。

それでも尚、現実としてとらえることのできないオビ=ワンの唇に

優しい接吻が落とされました。

「愛しています。オビ=ワン。僕にはあなた以外考えられない。」

そう言いながら指先にも接吻をされ、

歓喜が指先にまで浸透しやっと現実に思え始めました。

「本当に、私なんかでいいのか?アナキン。」

「あなたじゃなくちゃ駄目なんです。こんな境遇に押し込められて尚、その心の美しさ

を失わず、この澄んだ瞳でいられるあなたがいいんです。」

そこでクスリと笑い、

「夢を語った時の生き生きとしたあなたや、ぼくのすることに恥ずかしがるあなた、

ちょっと怒ったあなたなんかも愛していますよ。」

そう言って頬に口づけを落とされると、

「私も・・・私だって、アナキンが好きだ。自分のものにならないと諦めていた時だって

この気持ちを捨てることはできなかったんだっ!

諦めなくちゃいけないと思っても、誰にも渡したくなんかなくて・・・・」

そう、今まで告げることのできなかった本当の思いが溢れ出ました。

「僕を誰にも渡したくないって思ってくれたの?」

そう、嬉々として尋ねるアナキンに

ぎゅっとしがみつく事によって肯定の意を伝えます。

「僕はとっくにあなたのものだったのに・・・。」

肯定の意を伝えたオビ=ワンに感極まったように呟いた後

「僕にもあなた自身をくれますか?」

そう、少々不安げに尋ねてきます。

「私もずっとアナキンのものだったよ。」

そう耳元で囁いたオビ=ワンを、アナキンは固く抱きしめるのでした―――。

 


うははは。やっとこ両思いです。長かった〜。

これで最後までやってもオケーです。自分的に。

なんか周りにいろいろ知られてますが、もちろん後々問題が起きますよ(笑)

C3POよ・・・。忘れたことくらい気が付いてるのかな。

あ、ここで出てきたお菓子は、「後ろの正面だあれ」という児童文学?内ででてきた

お菓子です。おいしそう〜v






よろしかったらポちりとお願いしますv





























































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