家の者達がでかけて一週間程経った頃、久しぶりにリキが顔を出しました。

蜜月の初期の方に、二人の邪魔だからとR2に部屋を追い出され、ふて腐れて

裏山の辺りを彷徨っていたのでした。

ぴったりとくっついて座る二人の間に無理矢理割り込み、くふんと鼻を鳴らし、自分

の寂しさをオビ=ワンに訴えかけます。

「よしよし。寂しかったね。」

そう言って頭を抱きしめ、愛おしそうに撫でてやるオビ=ワンの姿を見たアナキンは

微妙に面白くありません。

リキの頭を押しやり、オビ=ワンを自分の腕の中に閉じこめます。

「旦那の見ている前で、他の男といちゃつかないで欲しいな。」

笑い混じりながらも、リキに見せつけるようにオビ=ワンに軽くキスします。

いくらアナキンにも懐いているとはいえ、焼き餅焼きのリキは非常に面白くないらしく

助走をつけてアナキンに飛びつきました。

「うわぁっ!」

小柄な女の人と大して体重が変わらないような犬にそんな飛びつかれ方をしては

たまりません。

アナキンはとっさにオビ=ワンを離すのが精一杯で、後ろにひっくり返ってしまいま

す。そのまま取っ組み合いを始める二人を半分呆れて眺めていると

「ピーーー。」

と馬鹿にしたような声が聞こえました。

まったくどうしようもないね、というように頭を回しているR2と顔を見合わせ、苦笑い

するオビ=ワンなのでした―――。

 

 

取っ組み合う二人を引きはがし、双方を呆れつつも叱り、身形を整えてやります。

「・・・全く・・・。犬相手に何を本気になってるんだ・・・。」

そうすっかり乱れた、衣装を整えてやりながらオビ=ワンが言うと、

「あなたを思う気持ちに犬も人もありませんよ。リキも雄ですからね。あなたに手を

出していいのは僕だけだと教えようと・・・」

「手なんか出されるわけないだろうっ!」

思わず声が大きくなります。

その時、向こうでR2に無理矢理櫛けずられていたリキが急にうなりました。

鼻に皺を寄せ、明らかに今までと様子が違います。

何事かと思っているうちに家の中が騒がしくなり始めました。家の者たちが返ってき

たのです。

その物音を聞いて、アナキンをオビ=ワンは帰そうとしましたが、

「誰かが来たらすぐに身を隠しますよ。リキもいるしへまはしません。」

そうのんびり言うだけで、帰る気はさらさらないようです。そうこうしているうちに、

恐れていた足音が近づいて来ました。

視界の端にリキとアナキンが身を隠すのが見えると同時に部屋の戸が開きました。

「R2!またお前こんなところで油を売っていたのかい!?全くお前の主人は誰だと

思っているんだ!きちんと出迎えをしないか!」

そう入って来るなり叱りつける北の方に、R2は一旦部屋から出ていきます。

すると今度はオビ=ワンに視線が向けられました。

「あの、何か・・・?」

その居心地の悪さにオビ=ワンが逆に尋ねると

「お前確か、母の形見とかの鏡箱を持っていたね。少々それを借りたいのですよ。」

図々しくもそう言う北の方に

「どうぞお使い下さい。」

そう言って自分の鏡を取り出し、箱を差し出します。

その鏡箱に布にくるんであった鏡を入れてみた北の方は

「おお!やはり今度買ってきた鏡にぴったりじゃ。しばらく借りますよ。」

そう言ってふたを閉め懐に抱えます。するといつの間にか戻ってきたのか

「ピッピピピッピーーー!」

と、R2がオビ=ワンが取り出した鏡を手にし、

激しく頭を回し北の方に詰め寄ります。

「うるさいねぇ。そのうち代わりの箱を持たせますよ。しかしなんだい、こんなに長い

時間があったのにちっとも縫い物が進んでないじゃないか。今日からはさぼろうた

ってそうはいかないからね!さっさと縫うんだよ!」

そう吐き捨てると、乱暴に戸を閉め出ていってしまいました―――。

 

「今のが北の方?」

「うん。見つかったら大変そうだろ?」

オビ=ワンは笑ってそう答えますが、

「やな人ですね。娘達もにてるの?」

そう不快そうに聞き返されます。

「こないだ言ったように、四の君も含めてみんな可愛らしくていらっしゃるよ。」

「・・・あなたは寛大ですね。鏡箱を取り上げられてしかも、縫い物まで押しつけられた

のに。」

「きっと返してくださるよ。気に入られたのならそれでもいいさ。」

今までもさんざん、母クワイ=ガンの残してくれた道具類や食器、屏風などを取り上

げられてきたオビ=ワンは、物欲がほとんどありません。

優しかった母の思い出さえ覚えていられれば十分なのです。

「それに、縫い物は私がさぼっていた結果だもの。今晩から始めるさ。だから今晩は

家に帰っても・・・」

「僕も手伝いますよ。」

「アナキン?」

「あなたがする必要のないこととはいえ、その仕事が進まなかったのは僕のせいで

すからね。布団からほとんど出れなかった原因として手伝いますよ。」

含みのある言い方で手伝うことを宣言され、多すぎるくらい思い当たることのある

オビ=ワンは、真っ赤になって口を開閉するのみでアナキンにお礼も文句も言うこと

ができなかったのでした―――。

 


北の方ご帰還。次回から更なる本領発揮を!

リキとアナキンはいつのまにらやライバルに(笑)。

焼き餅焼きなのはもちろんうちの坊主です。

微妙なとこですが眠いので続きます・・・zzzz。





よろしかったらポちりとお願いしますv





























































SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送