翌朝、オビ=ワンの元に質素な朝食と、大量の縫い物が届けられました。
それらを持ってきた侍女は本当に申し訳なさそうに、
「四の君がご結婚なされるようなのです。できるだけ急ぐようにとのことでした。」
と、言い訳のように口にしました。
オビ=ワンがなんの気なしに、
「どなたと結婚されるのかな?」
と尋ねると、侍女は少し考え後、
「確か、右近の少将とかいわれる方だったと思います。では失礼いたします。」
そう答えると、侍女は部屋を出て行きました。
侍女が出て行ったあと、オビ=ワンはその名前に聞き覚えがあることについて考えこんで
いましたが、やっと思い当たりました。
「そうか、R2が持ってきた手紙の方だ。」
思い当たると同時に、やっぱりな、という思いと少し寂しい思いもありました。
本気ではないだろうと思っていても手紙をもらったのは初めてでやはり嬉しかったのです。
オビ=ワンは手紙をもらったことを自分の中にしまいこむと、
縫い物の山に取り掛かるのでした―――。
オビ=ワンと別れた後、アナキンの心はオビ=ワンのことで占められていました。
誰よりもきれいな瞳を持ち、自分で考えることを知っているのに、自分自身の価値を全く
知らない姫君。
アナキンが部屋を訪ねるお伺いをたてた時に、オビ=ワンがためらったことはアナキンの
心に影を落としていました。
アレだけの内面、外面共に美しさを兼ね備えた姫ですから、帝の側室である、と言われて
も驚かないだけの心構えはありました。
しかし、実際に断りたそうなそぶりを見るだけで、必死に違う言葉を探してしまうほどの衝撃
を受けました。
けれどアナキンはオビ=ワンにどんな事情があろうとも、あの寂しげな瞳をさせている今の
状況から連れ出してみせると心に決めました。
たとえオビ=ワンが帝の側室であろうとも、オビ=ワン自身が望むなら帝と対決することも
辞さないつもりです。
そう決心したところで、C3POに言われるままに手紙を出してしまった姫君のことを思い出
しました。
自分に本気で好きな人ができてしまった以上、彼女と契るわけにはいきません。
しかし、話を聞く限りなにやら不幸な境遇に押し込められている姫のようです。
聞いてしまった以上は、たとえ契ることはなくとも何とかその境遇から、
救い出して差し上げたいものです。
アナキンは、唐突な手紙を出してしまったことの無礼と、好きな人ができてしまった以上
契ることはできないが、貴方をその境遇から助け出したい。よって一度会うことはできない
であろうか、という内容の手紙をしたため、再びR2に託すのでした―――。
一方オビ=ワンは、縫い物の山と朝から晩まで格闘していて、
返事を書く間もありませんでした。
好きな人ができた、という内容の手紙を読んで、四の君との結婚の話が本当であると確信
したオビ=ワンでしたが、この境遇から助け出してくれるという話には心を動かされました。
オビ=ワンはいっそ、リキだけ連れて出家でもしたいと考えていたのです。
その方がR2にも迷惑をかけないですむ、と思い込んでいました。
そうなるとアナキンにも会えなくなり、そのことを考えることは今まで自分の人生の中で経験
したことのない、痛みを伴いました。
しかし、アナキンはいずれ誰かと結婚します。そのことを自分の目で目撃するよりは、と
考えたのです。
オビ=ワンはそのことを、返事として書きたかったのですが、書くことのできないまま、
数日間が過ぎていきました―――。
姫君からの返事を待っていたアナキンでしたが、明日がオビ=ワンとの約束の日になって
しまいました。
明日オビ=ワンに自分の気持ちを伝えたいと思っていたアナキンは、返事を待ちきれずに
姫君に直接会い話をするために、
日が完全に落ちた頃、月の光の中、姫君に会うために出かけたのでした―――。
やほー♪すれ違いvすれ違いvv
以前R娘さまと、「誤解とすれ違いって萌えるよね」という話をしました。
自分が書いたのでなければホントに・・・。
でも好き目の展開ですねv
またまた続きます〜。
次回ご対面〜〜〜。
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