「僕が手紙を出していた姫君が、オビ=ワンあなただったなんて!!」

なおも驚きを隠せないでいるアナキンに、静かな声でオビ=ワンは話し続けます。

「アナキンは、こんな風に遊びで出した手紙の相手にも、誠実に接するんだね・・・」

オビ=ワンは衝撃のあまり、変に冷静な自分を感じていました。

そして、その冷静な思考回路の中で、自分のアナキンに対する気持ちがどんなもの

であったかをはっきりと自覚しました。

アナキンと逢うことがあんなに嬉しかったのも、彼とその結婚相手のことを考えるだ

けであんなに胸が苦しかったのも、アナキンが右近の少将である、という事実にこん

なに衝撃を受けているのも、すべてが彼のことを好きだったからであることに、気が

付きました。

この気持ちは一度気が付いてしまうと、もう押さえのきかないものでした。

しかし、こんな自分とアナキンが結ばれることのないことは、痛いほどわかり、なお

かつアナキンは四の君との結婚の話もあります。

そう思うと先ほどの冷静さは姿を消し、オビ=ワンは言葉を続けることができません

でした―――。

急に下を向き黙り込んでしまったオビ=ワンに対して、アナキンは自分の気持ちを

伝えようと、必死に言葉を紡ぎます。

「真剣さが足りなかったことは認めます。でも僕は生涯一人と決めた相手を一生愛し

抜こうと決めています。そして今、本気で好きな人がいるんです。その人に気持ちを

伝えるには、軽々しく手紙を出した姫君に対しても、このことをきちんと伝えなくては

と思ったんです。」

一息に言い切った後に、更に言葉を続けます。

「そして、僕は好きな人と結ばれたら、その人を愛し抜いて幸せにして、僕も幸せに

なる自信がある。だからその姫君にも幸せになってもらいたかったんです。」

オビ=ワンにとってはアナキンが好きな人を思って言う、その一言一言が胸に刺さり

ます。

のどに何かの固まりがつかえてしまったかのように、ますます苦しくなる胸をこらえ、

やっとかすれた声を絞り出しました。

「私は、この屋敷から出られるだけで、幸せだよ。繰り返しになってしまうけど手紙に

も書いたとおりアナキンに迷惑がかからないようなどこか遠い寺にでも連れて行って

欲しい。そこで静かに出家して暮らすから。」

「何を言っているの?オビ=ワン。あなた、本気で出家したいなんて思っている

の!?出家なんかしたら結婚もできないし、何よりもう二度と会えなくなるんだよ!」

オビ=ワンの台詞にアナキンは思わず、詰め寄るようにしながら叫んでいました。

「アナキンは、好きな人と幸せにならなくちゃ。私と関わりがあったなんて知られない

方がいい。それにこんな姿で私は結婚なんて考えてもないよ・・・。」

「好きな人と幸せになるのに、どうしてオビ=ワンが遠くに行こうとするの!?

それにあなたはとても綺麗だよオビ=ワン。」

その言葉に対してうつむくばかりで答えようとしないオビ=ワンにじれたアナキンは

自分の気持ちを口にしました。

「僕が好きなのはあなただ、オビ=ワン。」


とうとう言ってしまいました〜。





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